Steamで配信される新作のうち、生成AIの使用を開示しているゲームが「およそ3本に1本」に達したとする調査レポートが公開された。まとめたのはMainframe IndustriesのCEOであるSulka Haro氏で、2023年7月から2026年7月までにリリースされた5万3597本を対象に集計したもの。
Steamは2024年から、ストアページで生成AIの使用有無を開発者に開示させる仕組みを導入している。レポートによれば、この「AI使用を開示したゲーム」の月間リリース本数は、集計開始時点の約13本から直近では約530本へと急増した。Steam全体の月間リリース本数の増加分のうち、6〜9割をAI開示タイトルが占めている計算になるという。
ただし、本数の伸びに売上が追いついていないのが実情だ。AI開示タイトルの売上シェアは2024年時点で全体の3〜6%程度にとどまり、2025年末から2026年にかけて10〜27%へ伸びたものの、本数の増え方に比べれば「大幅に低い」水準だとされる。推定販売本数3000本に到達した割合も、AI開示タイトルが45%なのに対し、非AIタイトルは81%と差が開いている。
一方で、AIを使いつつ成果を出しているタイトルには傾向が見られる。レビュー1000件以上を集めた"成功組"では音声生成の利用率が24%(伸び悩んだ層は8%)、ローカライズへの言及が18%(同6%)と、いずれも高い。Haro氏は現在のペースが続けば、2027年から2028年にはAI開示タイトルが新作の過半を占める可能性があるとしている。
この数字で押さえておきたいのは、「AIを使ったから売れない」とは限らない点だ。音声生成やローカライズのように、人手だと費用がかさむ工程にAIを充てているタイトルは相対的に結果を出している。つまり効いているのは用途の選び方であり、AIの使用そのものが評価を決めているわけではない。むしろ問題は、開発の敷居が下がったことで新作の総数が跳ね上がり、1本あたりの露出が薄まっていることだろう。プレイヤー側から見れば、ストアの新着から良作を掘り当てる難度が上がるということでもある。なお本調査はあくまで「開示済み」タイトルの集計であり、開示していない使用例は含まれていない点には注意が要る。実態はこの数字より広い可能性がある。
