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集英社ゲームズは2026年7月31日、米澤穂信の小説『本と鍵の季節』をゲーム化した『ドラマライク アドベンチャー本と鍵の季節』を発表した。対応プラットフォームは Nintendo Switch と PC(Steam)で、発売は2026年冬を予定している。
原作は『氷菓』などで知られる米澤穂信が2018年に発表した青春ミステリで、いわゆる「図書委員」シリーズの第1作にあたる。シリーズ累計40万部を超える人気作で、高校2年生の堀川次郎と、同じく図書委員を務める同級生・松倉詩門の2人が、学校図書室に持ち込まれる一見他愛のない依頼の裏に潜む、苦味のある謎に向き合っていく連作短編集だ。ゲーム版では堀川次郎の視点で物語が進行する。
本作が掲げる「ドラマライク アドベンチャー」は、テキストを「読む」体験と「観る」体験を融合させた独自ジャンルとうたわれている。色彩豊かなイラストと全編フルボイスによって、一本のドラマを観るように物語へ没入していく構成を目指すという。キャラクターデザインは原作小説の装画を手掛けた丹地陽子が担当し、堀川次郎役を浦和希、松倉詩門役を梅原裕一郎が務める。
さらに、原作者・米澤穂信による書き下ろしの新規エピソード「ユーズド奇譚」がゲームオリジナルとして収録される点も明らかにされた。原作既読者に対しても新たな読みどころを用意する構成となっている。
GameNavi の所見としては、集英社ゲームズが自社グループの文芸資産をゲーム化するという、出版社系パブリッシャーならではの企画である点が興味深い。ノベル系アドベンチャーは近年 Switch と Steam の相性が良く、腰を据えて読ませる作品が一定の支持を得ている土壌もある。特に本作は日常の謎を扱う静かなミステリであり、派手なアクションを求めない層や、原作読者・ミステリ読者の取り込みが狙えるだろう。一方で「ドラマライク アドベンチャー」という新ジャンル表記の中身は現時点で抽象的で、既存のフルボイス型ノベルゲームとどこが違うのかは映像を見るまで判断しにくい。原作の魅力である地の文の切れ味を、映像と音声にどう置き換えるかが評価の分かれ目になるはずだ。書き下ろしエピソードの存在は原作既読者を動かす強い動機になるため、価格と収録ボリュームの発表を待ちたい。
