『Deus Ex』『System Shock』『Ultima Underworld』といった数々の名作を手がけたゲームデザイナー、ウォーレン・スペクター氏が、ゲーム開発からの引退を表明した。氏は開発者として44年目を迎えるところで、「年齢と健康の問題」に加え、業界の変化によって「以前ほど楽しめなくなった」ことを理由に挙げている。

スペクター氏はOrigin Systemsで『Ultima VI』などのプロデューサーを務めた後、Looking Glass Studiosで『System Shock』の制作に関わり、Ion Stormでは『Deus Ex』のディレクターとして同作を世に送り出した。その後もディズニー傘下で『エピック ミッキー』シリーズを手がけるなど、一貫してプレイヤーの選択を重視する「イマーシブシム」的な設計思想でジャンルに影響を与え続けてきた人物である。直近では自身のスタジオOtherSide Entertainmentが手がけていた新作の開発が中止となり、これが引退表明の一因になったとみられている。

本人はまだ3本分のゲームの構想があるとしつつも、「やりたいことはやり尽くした」と語り、今後は執筆や講演、コンサルティングなどに時間を使う意向を示している。

GameNaviとしては、イマーシブシムというジャンル自体が近年再評価されつつある中での引退表明であり、業界にとって大きな節目だと捉えている。氏が関わった作品群は直接の続編・精神的後継作を含めて今も影響を残しており、後進の開発者たちが同氏の設計思想をどのように引き継いでいくかが今後の見どころになりそうだ。