PlayStationで2028年1月以降に予定されている物理ディスクの生産終了方針をめぐり、業界内で影響の見立てが分かれている。中古ゲーム市場そのものが縮小・消滅に向かうと警鐘を鳴らすアナリストがいる一方、パブリッシャー側からは大きな混乱は起きないとの見方も出ている。
前提となる市場規模は小さくない。世界の中古ゲーム市場は2025年時点で約72億ドル(日本円でおよそ1兆1800億円)に達しており、2034年には138億ドル規模へ成長するとの予測もある。この市場が成り立つ土台が、そもそも「売れる物理パッケージ」の存在だ。
MorningstarのアナリストKazunori Ito氏は、物理ディスクが供給されなくなれば中古市場は縮小し、最終的には消滅へ向かうと指摘する。またF-SquaredのコンサルタントMichael Futter氏は、小売店の経営面への影響を強調する。中古ソフトの売買は利益率が高く、その収益が新品ソフトの仕入れを支えているため、中古が細れば実店舗そのものが立ち行かなくなるという構図だ。一方でUbisoftは決算説明の場で、PC市場のデジタル化がむしろ成長に寄与してきたとして、大きな混乱は生じないとの見立てを示している。
プレイヤー視点では、中古市場の縮小は「安く買う」「遊び終えたら売る」という選択肢が失われることを意味し、実質的な負担増につながりうる。同時に、販売が終了したタイトルを後から入手する手段や、サービス終了後の保存性といった論点にも直結する。
両者の見立てが割れているのは、比較対象の置き方が異なるためだろう。UbisoftはPCという「もともとダウンロードが主流だった市場」を根拠にしているが、家庭用ゲーム機、とくに日本のように中古流通が長く根付いた市場に同じ前提をそのまま当てはめられるかは疑問が残る。日本ではパッケージ版の比率が海外より高い状態が続いており、影響の出方は地域によってかなり違う可能性が高い。もっとも、2028年1月という時期はまだ先で、実際の運用がPS5世代の終盤にどう適用されるのか、次世代機でどうなるのかは明らかになっていない。中古市場の是非とは別に、購入したソフトを長期的にどう遊び続けられるかという保存性の観点で、プラットフォーマー側からの説明が求められる局面だ。
- PlayStationの物理ディスク生産終了後には、"1兆円規模"中古ゲーム市場がいずれ消滅するとアナリストが警鐘。一方Ubisoftは「大きな混乱なし」と予測、割れる見立て
PlayStationで2028年1月以降に予定されている物理ディスク生産終了方針について、影響の見立ては業界内でも割れているようだ。
